まだコンラージ棒使ってるの?激安でハイスループットな大腸菌の播き方【節約実験プロトコール】

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実験プロトコル
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この記事について

大腸菌を形質転換した後や、サブクローニングの時の大腸菌懸濁液を寒天培地に播く時にどのようなものを使って広げていますか?

コンラージ棒や白金耳などのセルスプレッダーを使って大腸菌を播いている方が一般的に多いのではないでしょうか?

この記事では、あまり知られていない激安、簡単、高速な大腸菌の播種法を紹介します。

一般的な方法

白金耳、コンラージ棒(ガラス製、金属製)を使っている方は、コンタミネーションを防ぐために

アルコールにつけて火であぶってから、寒天培地を回しながら播種していると思います。

もしくは火で前処理する作業が煩雑なため、ディスポのプラスチック製コンラージ棒を使われている方もいるかもしれません。

コンラージ棒はうまく回しながら大腸菌を播かないといけないので、慣れるまではコロニーが寄り固まってしまうことがあります。

今回紹介する方法は火も使わないですし、再利用可能でゴミも出しません。

また、初心者でも均等にコロニーを撒くことができます。

必要なもの

1. ガラスビーズ

丸くて転がるガラス球ならなんでもいいのですが、ある程度の大きさと重さがあったほうが播きやすいと思います。だいたい 3-4mmぐらいがいいでしょう。

2. ビーズを入れるための瓶2つ(口が広いものがいいです)

3. 使用済みビーズを漬けるアルコール

実際の方法を写真で解説

  1. 写真のように、ガラスビーズをオートクレーブをして準備します。

2. ガラスビーズを寒天培地に約20粒程度入れ、大腸菌懸濁液を50-100ul程度入れます。そしてフタを閉めて10-15秒ぐらいガチャガチャと振ればOKです。ビーズ同士がぶつかって、均等に大腸菌を播いてくれます。

使ったビーズは下の写真のようにビーカーに貯めておきます。

殺菌のためにビーカーには70%アルコールが入れてあります。

ある程度ガラスビーズが貯まったら、しっかりと洗って乾燥させ、オートクレーブすれば再利用可能です。

ガラスビーズ法の利点と欠点

ガラスビーズの欠点は、実際のところ見当たらないですね。

あえて言うとすれば、再利用する時に洗うのがめんどくさいぐらいでしょうか。

利点は下記のようにたくさんあります。

利点1 費用がかからない

ディスポのコンラージ棒は、調べてみたところ1本数円ぐらいするみたいです。

この方法だと一回ビーズを買ってしまえば、あとはビーズが壊れるまで費用はかかりません。

100-200回ぐらいで元は取れるのではないでしょうか。

利点2 初心者でも簡単にできる

従来法では慣れるまでにちょっとしたコツが必要で、コロニーが寄り固まってしまったりして播きムラがでることがありますが、ガラスビーズ法ではほとんど撒きムラが出たことがないです。

利点3 早い

プレートが1、2枚のときには従来法とあまり時間は変わらないかもしれませんが、この方法は準備するプレートの枚数が多い時に威力を発揮します。

従来のコンラージ棒では、消毒→播種→消毒→播種というように一枚ずつ播種する作業になります。また、火をつけたらコンラージ棒の温度が下がるまで少し待たないといけません。

ガラスビーズ法では最初に寒天培地を準備しておいて、ビーズと大腸菌懸濁液を入れておきます。プレート積み重ねて5,6枚(手が大きい人はもっと多くできるかもしれません)を同時に振れば、一気に大腸菌を播くことができ、時間が節約できます。

まとめ

ガラスビーズを使った大腸菌の播種法をご紹介しました。

ゴミも出さないので地球にも優しい方法です。

いい事ずくめで、あまり欠点が見当たらないと思いますので、ぜひ一度お試し下さい。

大腸菌実験プロトコールのまとめ

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