【ウエスタンブロット】泳動バッファー(SDS-PAGE用)、転写バッファーの組成と作り方

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実験プロトコル

この記事ではウエスタンブロットで使う泳動バッファー(ランニングバッファー)と転写バッファー(トランスファーバッファー)の組成と作り方について説明しています。

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泳動バッファー

最も一般的なTris-Glycine Running Bufferの組成と作り方を紹介します。

10X 泳動バッファーの作り方

Tris base30.0 g
Glycine144.0 g
SDS10.0 g
MilliQ waterto 1L
pHは8.3付近になっているはずですが、心配な方はチェックして下さい。使う直前に蒸留水で10倍希釈して下さい。室温で保存可能です。

意外と知られていないですが、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)は有害です。強力な界面活性剤でタンパク質の高次構造を壊して変性させてしまいます。低濃度ではその強い界面活性作用を生かして洗剤、歯磨き粉、シャンプーなどにも使われていますが、高濃度のSDSが眼や皮膚に直接接触した場合には強い炎症を起こします。発癌性はないようですが、取り扱いには十分注意して下さい。

転写バッファー(Transfer Buffer)

Tris-Glycine系で最も一般的な転写バッファーの組成を紹介します。Towbinバッファーとも呼ばれます。

Tris3.0 g
Glycine14.4g
メタノール200ml
MilliQ 水to 1L
これもpHは8.3付近になっているはずですが、心配な方はチェックして下さい。このバッファーは薄めずそのまま使います。最終濃度は25 mM Tris, 192 mM Glycine , 20% v/v MeOHとなります。

タンク式、セミドライ式のどちらでも使うことができます。

このバッファーは私は何回も使い回しをして、4℃で保存しています。

高分子タンパク質の転写効率を上げたい時には、0.01-0.1% (w/v)ぐらいの低濃度のSDSを加えると効率が上がることがあります。

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