【おすすめの6冊】英語論文の書き方を勉強するための参考書

研究

英語論文を書こうと思うけど、何から勉強してよいのか分からない。

論文の書き方についての解説本はどれも同じような本ばかりで、どれを選んでいいのか分からない。

英語論文の書き方について勉強するのに参考になる良い本はないだろうか?

このように悩んでいる方が多いのではないでしょうか。

私はこれまで筆頭で10本以上、共著を含めると80本以上の英語の学術論文を出してきました。

英語はかなり苦手でセンスもないですが、英語論文を書くことからはどうしても逃げられないので、

これまで英語論文の書き方については、何とか這いつくばって勉強し、「英語論文の書き方」系の本についてもたくさん買って読んできました。

そのなかで自分の英語力を上げてくれたと感じる本や、読んで英語論文の書き方に対する考え方が変わったり、非常に参考になった本を厳選して6冊を紹介したいと思います。

あまり一般的には知られていない本もありますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

おすすめの本のランキング

まず私が選ぶ5冊のランキングは次のようになります。

1. ネイティヴ並みの「英語の書き方」がわかる本

この本は隠れた名著だと思います。

もともとは英語論文の書き方に特化した本ではなく、パラグラフライティング全般の考え方についての本です。

  • 一つ一つの文は書けるけれど、論文となるとうまく書けない
  • 英文法はある程度理解できているんだけど、ナチュラルな英語が書けない
  • andなどの接続詞で文と文を多用してしまって、なんとなく幼稚な英文になってしまう

このような悩みを持つ人が多いと思いますが、この本が解決のヒントを与えてくれます。

この本を一言でまとめると、

トピックセンテンスとサポートセンテンスを意識する

ということですが、みなさんはこれを意識しながら英文を書いているでしょうか?

これを意識するだけで、ライティングのレベルが上がったのはもちろんですが、英文の要点を早くつかむことができるようなりリーディングにも役立ちました。

一文の英文を書くだけなら、日本語をDeepLなどの翻訳ソフトに翻訳させた方が簡単にいい英文ができるかもしれません。

しかし論文は文の集合体ですので「構造」を意識しなければ、説得力のある文章を書くことができません。

この本ではその基本的な考え方が学べます。

論文は小説ではないので、パラグラフライティングができれば、誰でも説得力のある文章を書くことができ、この本ではその基礎を学べます。

またこの本では、日本人が英語を書くときのクセとネイティブのライティングの考え方を対比しながら書かれていますので、

小手先のテクニックではなく、ネイティブの根本的なライティングの思考を学ぶことができます。

本の中には練習問題もたくさんのっていますので、問題を解きながら学ぶことができます。

日本語を話しているとどうしても日本語での考え方に自然と戻ってしまいますが、今でも時々この本を見直しては、ネイティブ思考に戻るようにしています。

英語論文の書き方を学ぶときの参考書をどれか1冊を推薦してと言われれば、必ずこれを指定すると思います。

私の中ではダントツで1位です。

Amazonのレビューを見ていただいても分かると思いますが、私と同じ感想を持っている方が多いです。

どうやらすでに絶版となってしまっていて中古本しかなく、販売されている数にも限りがあるようです。もしも見てみたい人は早めに手に入れたほうがいいでしょう。

2. 英語論文によく使う表現

この本は逆引き辞典のように使うことができる例文集で、大量の例文を列挙してあります。

今でも英語論文を書くときにはいつも手元に置いています。

例えば

「この論文の目的は〜」、「原因を述べる」、「結果を述べる」

という基本的な場面についての表現や

「本論において考察・検証が不十分であることを弁解する」場合や

「未知あるいは不明を認める」場合

などの細かな場面設定で、それぞれに例文をたくさん列挙してありますので、表現が思い浮かばないときにパラパラと見て、表現の骨格を真似しています

基本編が10万部のベストセラーとなり、発展編も最近発売されたようです。

3. アクセプトされる英語医学論文を書こう!

「n=3」と「n = 3」

「3mg/ml」と「3 mg/ml」

これらは、どちらが正しいか分かるでしょうか?

この本では「=」や「mg/ml」などの前後にスペースがいるかいらないか、

「Result」では現在形?過去形?、などの基本的なことが書いてあります。

また、「同じ表現が続いてかっこ悪いな」と思うことはないですか?

この本には類語表現をたくさん列挙してありますので、そのような時に役立ちます。

例えば「increased(増加した)」については

「was accelerated」「enlarged」「proliferated」「advanced」「expanded」「raised」…というような形で多くの表現を書いてありますので、

この本を参考にして少しずつ表現を変えています。

4. 理科系のための英文作法―文章をなめらかにつなぐ四つの法則

この本は中公新書からの本であり、イラストがあまりなくて固い印象の本ですが、「なるほど」と思いながらスイスイと読みすすめることができます。

またこの本にも「理由を表す表現」、「逆接または対象を表す表現」など多くの表現パターンを書いてありますので、参考になります。

理科系と書いてありますが、文系でも十分使えます。

700円程度で安いですので、一見の価値はあると思います。

5. The Little Book of Research Writing

個々の文の英作文についてというよりは、これも全体の構成とパラグラフについて書かれた本です。

分かりやすい論文、読みやすい論文というのは、全体の構成を考えないといけない、Structureが大事だという内容です。

一部を簡単に紹介すると、

「R」Research question

「A」Answer

「P」Positioning statement

RAPという概念を提唱して、これを軸にwritingの組み立て方について書かれています。

最初に紹介した

ネイティヴ並みの「英語の書き方」がわかる本

と内容が似ていますが、組み合わせるとより理解が深まると思いました。

ネイティブはStructure(構造)やParagraph(パラグラフ)を徹底的に教育されるようですね。

英語で書かれた本ですが、全体で180ページぐらいで、簡単な英語でイラストや図などを多用してありますので、英語論文を読める方には問題なく読むことができると思います。

読んだ後も本棚に英語の本があると見栄えが良くなります。

まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書

こちらは2024年に発行された本で、帯には「東大京大で一番読まれている本」と書かれています。

人文学系の論文の書き方を解説している本ですが、「論文とは何か?」というところを深く掘り下げて書いてありますので、理系の論文にも大部分は通じるところがあります。

例えば、「論文とは、ある主張(アーギュメント)を提示し、その主張が正しいことを論証する文章である」とか、

「アカデミックな価値は引用と批判によってつくられる」など、

小説と学術論文の違いを言語化してあります。

本の後半はやはり「パラグラフライティング」のことが書いてありますので、こちらは1冊目で紹介した「ネイティヴ並みの「英語の書き方」がわかる本」とセットで読むと、より理解が深まります。

「論文とは何か」というそもそも論が書いてありますので、論文で何を書いたらいいのか分からないという人に最適な本だと思います。

まとめ

私が英語論文を勉強するときに参考になった6冊を紹介しました。

お金以上の価値は得られる良い自己投資だと思いますので、ぜひ手にとってみて下さい。

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