海外留学すると良いことあるの?
海外留学したら何か失いそうで、心配。
このようなお悩みを抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか?
留学すると何が得られるのか?留学すると失ってしまうものはないのか?
留学してみたいとは思っているものの、留学するメリットとデメリットが分からないために決断できずにいる、そんな方のお悩みを解決できればと思います。
本記事の内容
この記事では、私の経験や意見も織り交ぜながら、海外留学のメリット・デメリットについてまとめています。
私はアメリカへ研究留学しましたのでアメリカのことを中心に書いていますが、他の国に留学する人や語学留学する人にも参考になるのではないかと思います。
本記事の信頼性
私は4年のアメリカへの研究留学の経験があり、外国人の友人も大勢できました。
留学当初の英語力は大したものではありませんでしたが、聞き取りの能力は少しずつ上達し、4年目頃からは「r」と「l」も区別できるようになり、日常会話も問題なくできるようになりました。
研究面ではファーストで3本、共著を含めると6本の論文を出すことができましたが、留学中も仕事ばかりではなく、家族で旅行に行ったりと楽しく過ごしました。
留学するメリット
英語の勉強が楽しくなる
覚えた英語をすぐ試して使ってみることができます。そして話した英語が相手に伝わると、次の会話につながって行きます。勉強した英単語がテレビのニュース番組で出てくると、もっと英語を知りたい、もっと勉強したいと思うようになってきます。
そのような良いサイクルの時は英語が本当に楽しいですし、英語の力が伸びている実感がありました。
これは外国に住んでいる特権とも言っていいと思います。
日本の良いところや悪いところが分かる
アメリカと比べることによって、日本の良い一面を感じることができます。
日本人は礼儀正しさや規律を守る面などは本当に素晴らしいと思います。
また日本と比べると、アメリカのサービス業(レストランや店舗など)の接客は日本よりもかなりレベルが低いと言えます。
アメリカには「お客様は神様」などという考え方は微塵もないですね。
留学当初はアメリカのレストランの接客態度に「けしからん!」いちいち腹を立てていましたが、慣れてくると
「はいはい、いつものやつね」と受け入れることができて、おおらかに受け流すことができるようになると思います(笑)。
それでもアメリカではどんなに悪い接客であってもチップを要求したりするので、日本に帰った時にすばらしい接客をしてもらったときには、チップをあげたくなってしまう衝動にかられてしまいました。。。
逆に、海外に住んでいると日本の悪いところも見えてきます。
日本人はスピーチが苦手ですが、アメリカで教育された人はみんなスピーチが上手です。
アメリカでは小学校のときから「show and tell」といって、クラスの人の前でスピーチの練習をさせられますが、この教育の賜物なのでしょうか。
突然スピーチをふられても、しっかりと落ちまでつけて堂々と人前で話すことができます。
これは日本人も学ばないといけないスキルだと感じました。
このように留学をすると、日本の誇れるところや足りないところが分かってきます。
世界の中での日本の相対的位置が分かる
留学する前は、自分の中では「日本は経済大国で、他の国から尊敬されているんだ!」と思っていましたが、これは間違いだということが分かってきました。
日本は世界の中で相対的に衰退していっていることが分かりました。
日本人は一目置かれているというよりは、どうでもいい存在であることの方が多いですね。
その一方で勢いがあるのがやはり中国でした。
アメリカには本当に中国人が多いです。
そして、中国人には目に力がある人が多い。
「アメリカで一発あてて成り上がってやるんだ」という野望を持って、目がギラギラしている人が多いですね。
世界で戦うということは、このような人たちを相手にして戦わないといけないということが留学して分かりました。
日本のことをより知りたいと思うようになる
外国の歴史や文化を知る度に、「日本ではどうなんだろうか?」と振り返って考えるようになります。
また、外国人と話すときにも日本についての知識をもっと持っておけばよかったと思ったことがありました。
ある日、アメリカ人の友人と話していたときに、世界の地理の話になり、本棚から世界地図を取り出して机の上に広げました。
「日本はここにあるけど、さあ日本のことについて話してくれよ。」
と言われて、自分の知っている日本の知識を総動員して何とか話しましたが、
「もっと日本のことを前もって勉強しておけば、もう少し面白く話せたかもしれないな」とヘコんだエピソードがありました。
こういう場面でもスラスラと日本のことを話せる教養を身につけて留学に行くと理想的ですね。
休みが取れるので旅行に行ける
アメリカはオンとオフがしっかりと分かれています。
日本と比べると、休みがまとまって取れることが多いですので、家族との時間を持つことができたり、アメリカ国内を色々と旅行することができます。
私はアメリカの広大な自然の中をドライブするのが大好きでした。全てのことがちっぽけに見えてきて、自分の悩みなんてどうでもいいことなんだと思えてきます。
このような体験をできたのも留学したからだと思いました。
度胸がつく
英語について、「下手くそだけど、がんばって伝えようとすれば何とかなるもんだ」という度胸がつきます。
英語は急にはうまくはなりません。でもそんな英語でも海外に住んでいる限りはそのレベルの英語で話して、自分の思いや考えを何とかして相手に伝えなければ、生きていくことができません。
仕事でも同じで、自分のやりたいことを相手に伝えないことには、何も前に進みません。
日々のちょっとしたトラブルでも、黙っていたらこちらが損するだけなので戦わないといけない場面が来ます。必死になります。
留学当初は文法を気にしすぎて、時制が、、、とか複数形が、、、とか思っていましたが
「とりあえず伝えることが大事」ということが分かってきて、何とか伝えようとすれば、伝わることが分かると
こういうのは留学して海外で生活しないと身につかないことだと思います。
もちろん英語が上手に越したことはないですが、下手な英語でも大丈夫ですよ!
肩書がつく
日本に帰った時に、履歴書に
「〇〇年から〇〇年 A大学へ留学」
という一行を書くことができます。
外国人の友人ができる
もしかすると留学で得られるものの中で、これが一番すばらしいことなのかもしれません。
地球上にいる70億の人の中からの友人との出会いというものは感慨深く、考えさせられるものがあります。
留学しなければ絶対に出会っていないはずであり、一期一会という言葉を
日本に帰ってからも人との出会いを大切にしようと思うようになります。
外国に住んでいると、その国のことを知りたいと思うようになるのは普通の流れだと思いますが、そこから逆に日本のことを知りたくなってきます。
最先端の知識を学ぶことができる
これは研究留学について特に言えることですが、日本に比べて海外(特にアメリカ)は研究費が多いため、レベルの高い人が集まり、最新の研究機器がそろっていることが多いと思います。
またアメリカでは、研究室単位で、頻繁にセミナーが開かれています。そのようなセミナーは他の研究室の人も参加が自由だったりしますので、過去のノーベル賞受賞者のようなスター研究者が講演に来られたりして、間近で聞くことができます。
研究室どうしはコラボレーションが活発ですので、一流のラボと交流する機会がありましたが、
今の世界のレベルはこれぐらいなんだということが何となく肌感覚で分かるようになりました。
合理性が学ぶことができる
欧米人は無駄なことが嫌いです。
日本では配布された資料を読むだけで、何も決まらない会議がたくさんあります。
アメリカでは無駄な会議などはほとんどありません。むしろ会議がなさ過ぎて、心配になるぐらいです。
日本は「気合と根性」が大好きで、本当に無駄が多いということが分かります。
留学生あるあるなのですが、留学で学んだことを日本に取り入れようとすると
「海外かぶれが、、、」という圧力、同調圧力に負けてしまう。
留学した方はこれを是非日本にフィードバックしてもらいたい。
海外の良いところは日本にも取り入れていきたいですね。
デメリット
費用がかかる、お金がなくなる
日本はデフレだということを身をもって感じることができます。お金が飛ぶように無くなっていきます。。。
学費、家賃など日本の感覚とはかなり違うので、覚悟して留学したほうがいいでしょう。
留学を考えている方で、もし奨学金が取れるなら取ったほうが良いでしょう。
留学時の節約法などについては、後日特集を組みたいと思います。
旅行、観光ばかりになってしまう可能性がある
アメリカは見るべきところがたくさんあり、ちょっと車で足を伸ばせば、日本の旅行ガイドブックに載っているような有名な国立公園や観光名所に行くことができます。
4年間アメリカにいましたが、行きたいところ全ては回りきれませんでした。それぐらい魅力的な観光地がたくさんあります。
留学しても、しっかりとした目的意識を持っていないと旅行ばかりするということになりがちです。
私の知り合いでも、平日はサボってばっかりで、週末は必ずどこかへ旅行すると決めている人がいました。ここまで割り切って留学(?)している人はそれはそれで良いのかもしれません。
何のために留学をしたのかということを考え、何でもバランスが大事だと思います。
日本でのキャリアが途切れてしまう可能性がある
学生でも留年を覚悟して、留学する人もいるでしょうし、仕事を辞めてまで留学する人もいると思います。
日本も徐々に変わってきており、多様性を受け入れるようになってきたとは言いますが、ストレートの学歴や職歴をいまだに好む傾向がある。まだ日本は保守的な人がまだまだ多いですね。
留学することで、そのリスクを返せると思う人はぜひ留学をオススメします。
私は留学でそのリスクを取る価値は十分にあると思っています。
意識して勉強をしないと英語は上達しない
何年も英語圏に住んでいると、住んでいるだけで英語がしゃべれるようになるかというと、それは大きな間違いです。
確かに、私は会話は長く住んでいるほど聞き取れるようにはなってきましたが、
日本に帰ったときには友人などからは「4年も外国に住んでいるんだったら、ペラペラなんでしょう?」という
やはり日本にいるときから、日々積み重ねていく英語学習が必要ということです。
日本人コミュニティーはどこにいってもあります。特に大きな都市に行けば行くほど、日本人は大勢います。
外国人とのやり取りなどに疲れてしまったら、どうしても安らぎを求めてしまい、そのような日本人コミュニティーに入ってしまいがちです。
もちろん、そのようなコミュニティでしか得られないこともたくさんありますので、完全には否定しません。
日本人コミュニティから出ないと外国に住んでいるのに日本語ばかり話すという、本末転倒なことになってしまうことがよくあります。
治安が日本よりも悪い
日本より安全なところは世界にはほとんどないと思っていいです。
日本よりは事件、事故に巻き込まれる確率は高いと思っていいです。
私は、大きな事件には巻き込まれませんでしたが、車上荒らしや盗難などの小さな事件は経験しました。外国でこのような被害にあうと、警察も協力的でないですし、ものすごく凹みます。
誘拐率も日本よりは断然高いです。お子様連れで留学される方は、外で遊ばせる時はくれぐれも目を離さないように気をつけて下さい。
病気になったときに困る
日本の医療制度は世界トップクラスだということが分かると思います。
日本の感覚で病院にかかると大変な額を請求されることになります。
病院には気軽には行けないです。ちょっとした症状なら自力で治そうと思ってしまいます。
特に若い人に多いですが、「自分は大丈夫」と思って、無保険で留学には行かない方が良いと思います。
例えば、救急車を呼ぶだけでも10万円前後が請求されたりします。
手術になるともっと酷いことになり、私の知り合いで盲腸になってしまった人は、約200万円の医療費を請求されていました。
まとめ
個人的な意見としては、総合すると留学はメリットの方が多いと思います。
留学している最中はすべてのことに必死で、苦労の方が多いと言えるかもしれません。
終わってみると、マイナス面よりもプラス面の方が圧倒的に多いですね。
実際に行って、見て、肌で感じないと分からないことが多いです。
百聞は一見にしかずだと思います。
留学したことがある私の知り合いや友人も、ほとんどの人が「留学してよかった」と言っています。私も含めて、人生観が変わる人が多いです。
お金に関しては、色々と難しい面があるかもしれませんが、個人的にはチャンスがあれば借金してでも行く価値はあるのではないかと思います。
自分が留学するべきか、しないべきかで悩んでいる方に対して、一つ判断するポイントとしては、
留学ってカッコいいよねとか、何となく留学したいから留学しようかなという「留学のための留学」をしようと思っている人は、やめたほうがいいかもしれないですね。
「留学してその先で何かをやってみたい!」と目標を持っている人、留学を足がかりにしてステップアップを考えているは絶対に留学したほうが良いと思います。
このブログでは留学に関するさまざまなの情報を発信していますので、こちらもご覧ください。
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