Hawk-eyeというシステムをご存知でしょうか?
この記事ではHawk-eyeについて詳しく解説します。
2021年US Openでの変化
2021年のUS openで大きな変化があったことに、みなさん気づかれたでしょうか?
2021年の画像はこちらで、
2020年がこちらですが、
2020年にはあって、2021年には何かがありませんね。
正解は、2021年では線審(ラインジャッジ)の人達がいなくなっています。
Hawk-eyeの仕組み
テニスの試合で次のようなCG画像(ビデオ)を見たことがあると思います。
Hawk-eyeとは複数台(テニスでは10台以上)のハイスピードカメラを使って、ボールの軌道を3D処理して、判定するシステムです。
なんと誤差は3.6mm以内で判定できます!
テニスのチャレンジシステム
テニスには「チャレンジシステム」という制度があって、
選手が審判の判定に不服がある場合に、1セットにつき各選手3回まで「チャレンジ(異議)」を申し立てることができます。
この時にHawk-eyeのデータを使ってボールの軌道を解析し、CG画像を合成させて、判定が正しかったかどうかを確かめることができます。
ホークアイシステムの歴史は意外と古く、2006年3月のNASDAQ 100オープンで初めて使われました。
2021年からHawk-eye liveが導入された
このHawk-eyeが進化して、2021年からはHawk-eye liveというシステムが導入されました。
このシステムがグランドスラムで初めて導入されたのは、2021年のオーストラリアオープンからです。
以前はボールの軌道を解析するために、数秒の時間が必要でしたが、
近年のコンピューター技術の発達もあり、解析がリアルタイムで行えるようになり、
アウトの時に「Out!」という録音された音声が流されるようになりました。
何もコールがない時はインということになります。
このシステムが導入されたよって、線審がいらなくなりました。
従来のチャレンジシステムはどうなるのか?
従来のHawk-eyeは解析に時間がかかっていたので、選手がチャレンジシステムの権利を使うことによって
その時だけHawk-eyeの判定が使われていました。
Hawk-eye liveになってリアルタイムで常時判定ができますので、
Hawk-eye liveの判定がそのまま正式な判定として使われるので、チャレンジシステムはなくなることになります。
この動画の0:31秒付近で、手前の選手が以前の癖でチャレンジのアピールをしていますが、Hawk-eye liveはアウトと言っていないので、インの判定でした。
Hawk-eye創業者
ポール・ホーキンス(Paul Hawkins)さんが創業者ですが、Hawk-eyeという名前はこのHawkinsさんに名前の一部からきています。またHawk eye(鷹の目)は英語で「鋭い目をもつ人」という意味があるので、このシステムに最高のネーミングだと思います。
Hawk-eyeはSonyが買収
Hawk-eyeは2011年にSonyに買収されています。
買収額は公表されていませんが、数十億円規模だと言われています。
Sonyはカメラなど映像関連機器に強い企業ですので、親和性を見込んでの買収だったのだと思います。
Hawk-eyeシステムの他のスポーツでの応用例
Hawk-eyeはテニス以外の他のスポーツでも導入されています。
野球のピッチャーのボールの軌道解析や、
サッカーでは、ゴールラインをボールが割ったかどうかということがしばしば問題になりますが、ここでもホークアイシステムが応用されてきています。
ゴール周辺に約8台のハイスピードカメラを設置して、ボールの位置を瞬時に解析し、ゴールラインを割ったら審判の腕時計に情報が送信されるシステムになっています。
まとめ
テニスのリアルタイム線審のHawk-eye liveについてまとめました。
コンピューター技術が進んでいけば、将来的には主審も完全AIに移行されることになるかもしれませんね。
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