抗体は値段がかなり高いですが、当たり外れが非常に大きい試薬です。
高いお金を払っているのだから、しっかりと反応してほしいものですが、なかなかそうはいかないですね。
私も何度も経験がありますが、外れると気持ちにもお財布にもショックが大きいです。
そのような経験をする人が少しでもいなくなるように願いを込めて、この記事では
巷で定評のある抗体を調べてまとめましたので、みなさんと共有したいと思います。
あらかじめ、ここに書いてある抗体が完全保証でないということはご承知おきいただきたいのですが、
かなり高い確率でいい抗体だと思います。
またこのサイトをご覧になった方で、オススメの鉄板抗体がありましたら、ぜひコメント欄にご記入をお願いします。
タグ抗体
抗GFP抗体
抗GFP抗体はアイオワ大学のDevelopmental Studies Hybridoma Bank(DSHB)に良い抗体が多いです。
ここは非常に安い価格でハイブリドーマ上清を配布しています。ただ、上清で送られてくるパターンが多いのでのが欠点ですが。
DSHB, GFP-4C9
mouse monoclonal antibody、ウエスタンブロットには使えません。
DSHB, GFP-12E6
Mouse monoclonal antibody、ウエスタンブロットには使えません。
NanoTag, FluoTag-X4-anti-GFP
single-domain antibodies (sdAbs)で、IF/ICC限定です。
海外の掲示板サイトで、S/N比が非常に良いと評判でした。
Invitrogen, anti-GFP polyclonal antibody (A10262)
170本以上の論文に使用実績があり、ウエスタンブロットにも使えます。
Chiken IgYなので、二次抗体を別に買わなければいけないのが難点です。
抗Hisタグ抗体
Hisタグ抗体はどうしても非特異的な結合が起きてしまい、バックグラウンドが上がってしまいます。
その中でも使用実績があり、定評がある抗体を選びました。
Cell Signaling Technology, His-Tag Antibody (2365)
Rabbit polyclonal antibody
私が調べた中では、一番引用数が多いHisタグ抗体でした。
NatureやCellなど有名論文にも多数の引用があるので、信頼性は高いと思います。
Genscript, THE™ His Tag Antiboy (A00186)
Mouse monoclonal antibody
Genscriptでは「THE」シリーズという抗体があり、高性能のHisタグ抗体を売っています。
Genscriptのホームページには、Qiagen製の抗体との直接比較が載せてあります。
Biolegend, anti-His-tag, J099B12
Mouse monoclonal antibody
コスパが良くて、感度も比較的良い抗体です。
抗FLAGタグ抗体
Sigma, Monoclonal ANTI-FLAG (M2)
Mouse monoclonal antibody
FLAG抗体では一番有名で、定評のある抗体がこれかもしれません。
Biolegend, Purified anti-DYKDDDDK Tag Antibody (L5)
Rat monoclonal antibody
BiolegendのカタログによるとL5はM2よりも2倍から8倍の感度があるとのことです。
抗HAタグ抗体
Roche, Anti-HA High Affinity (3F10)
Rat monoclonal antibody
この抗体はちょっと高いですが、研究者の間ではかなり定評のある抗体です。
カタログ上でELISAが100ng/mlと書いてあるので、この数値からもかなり性能のいい抗体であることが推測できます。
ほぼ安心して使っていい抗体です。
Cell Signaling Technology, HA-Tag Rabbit mAb (C29F4, #3724)
Rabbit monoclonal antibody
この抗体はすでに1000以上の引用があります。
これも3F10と同等の信頼性がある抗体です。
抗GST抗体
Anti-GST Antibody (B-14, sc-138)
Mouse monoclonal antibody
600以上の論文で引用されています。
Santacruzの抗体の中でも突出していい抗体だと思います。
値段も比較的高くないので、コスパもいい抗体です。
まとめ
定評のある抗体をまとめてみました。
とりあえず思いつくものを載せましたが、良い抗体が見つかり次第、随時改訂していきます。
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