この記事について
PCR反応によって得られたDNAを制限酵素処理するときは、
本来は、
PCR反応→DNA精製→制限酵素反応→DNA精製→ligationというステップを取りますが、
PCR反応と制限酵素のあいだのDNA精製をすることなく(大した手間ではないのですが、、、)、
DNAを直接切断する方法を紹介したいと思います。
制限酵素とPCR反応液との相性
NEBのウェブサイトには、制限酵素ごとにPCR反応液との相性が詳しく書いてありますので、こちらを参照して下さい。
制限酵素によってはそのままダイレクトに入れてもOKなものもありますが、まったくダメなものもありますね(BsiWI-HF, BspEIなど)。
クローニングに使うようなハイフィデリティのDNAポリメラーゼ(NEBでいうとPhusionやQ5)などは、制限酵素との相性が悪いようですが、Taq系のPCR反応液は制限酵素をそのまま反応させてもよいものが多いですね。
マウスのgenotypingなどで制限酵素処理が必要な場合は、制限酵素をそのままPCR反応液に混ぜてもよいことが多いと思います。
プロトコール
制限酵素はバッファーが命です。
バッファーが違えば切れるものも切れなくなってしまいます。
このプロトコールのコンセプトとしては、PCR反応液を水で薄めて、制限酵素の推奨バッファーを加えてあげることによって、少しだけでも制限酵素に最適のバッファーに近づけてあげようということです。
PCR反応液 | 10 ul |
ddH2O | 17 ul |
10x 制限酵素バッファー(制限酵素推奨のもの) | 2 ul |
制限酵素 | 1 ul |
合計 | 30 ul |
これを制限酵素の最適温度で数時間反応させます。
まとめ
PCR反応液を精製することなく制限酵素処理する方法をご紹介しました。
ここで紹介したのは、あくまでも手抜きプロトコールですので、切断効率は理想値よりも低くなっていることをご理解下さい。
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